③重みを増す意義と拡大する領域

2011年3月11日、「東日本大震災」からの復興

人口減少、超高齢化社会、シャッター商店街……被災地は日本の地方都市の課題の縮図だといえます。疲弊しきった街や集落を再生するには、全ての叡智が必要とされています。まちの根幹をなしている社会基盤施設や建築物を担っているのは建築・社会環境工学であり、その「まちづくり」の叡智が、いま試されています。被災した方々が今まで以上に、地元に安心、愛着、そして誇りを持てるような街へと復興していく、それが建築・社会環境工学の使命です。

社会の基本インフラが更新時期を迎えています

橋梁橋梁、上下水道、道路など社会インフラはギリシャ、ローマ時代から文明の礎を形作ってきました。わが国では昭和30年代の高度経済成長期以降に多数建設され、今では完成後50年を超えるものが多くなってきました。土木の分野はこれまで福祉の向上、防災・減災などのため新規建設に力を注いできましたが、これからは社会インフラ全体の点検・検査・診断・補修補強・更新など一連の取り組みを国を挙げて行わなければなりません。そのためには、非破壊検査、補修補強などのハード技術のみならず、アセットマネジメントなどのソフトな技術開発も必要となっています。

リニアコライダーの誘致と建設に向けて

「より高いエネルギーで粒子を衝突させれば、より根源的な素粒子が見つかる」ことは素粒子物理学の常識です。そして今、世界中の素粒子物理学者によってリニアコライダー(Linear Collider)という人類史上最高のエネルギー加速器の建設が計画されています。岩盤内に長さ50kmのトンネルと計測機器などを入れる大空洞を掘削して作る大規模施設です。総工費は約1兆円、完成までに10年かかります。まだ、どこに作るかは決まっていませんが日本が最有力候補です。そして、国内では北上山地にある花崗岩体が有力候補として注目されています。リニアコライダーを北上に誘致できれば、国際的な研究施設と研究都市が東北に出現することになります。沢山のノーベル賞が東北から出ることも期待できます。今、その誘致に向けて北上山地花崗岩体の調査を行っています。

ICL計画《参考》
東北大学ILC推進会議
岩手県:国際リニアコライダー(ILC)計画について