Think Globally, Act Locallyという言葉は、「世界的な視野で考え、具体的な現場に合わせて実践する」ことの必要性を謳っています。建築・社会環境工学科のフィールドは、まさにそのような視点を必要としています。
当然、活躍の場は地域から世界へと幅広いものになります。たとえば、建築系を中心に国際的なコンペなどが開催されていますが、東北大学研究者の参加や受賞も見られます。研究室の学生にも、教員とともにそのような活動に参加するチャンスが広がっています。
教員と学生の世界を舞台にした活躍例
2007年 | 阿部仁史教授(現在、名誉博士)、UCLA都市・建築学科長(チェアマン)就任 |
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2008年 | 五十嵐太郎教授、第11回ヴェネチアビエンナーレ国際建築展においける日本館のキュレター就任 |
2009年 | 本江正茂准教授グループ、Festival des Architecture Vives 2009(フランスモンペリエ)で最優秀賞 |
2011年 | 石田壽一研究室の永田敦、キルコス国際建築設計コンペティション2011で最多勝(金賞3、銀賞1、銅賞1) 五十嵐太郎教授、あいちトリエンナーレ2013の芸術監督に就任 |
今村文彦教授、国際測地学・地球物理学連合津波委員会副委員長就任 | |
本江正茂准教授グループ『STORY OF LIVING IN SENDAI』を「香港・深セン ビエンナーレ2011」に出展 | |
2012年 | 石田壽一教授、第5回ロッテルダム国際都市建築ビエンナーレ(コンペ部門)で最優秀賞 |
今村文彦教授、越村俊一教授、The 2010 Coastal Engineering Journal Award 受賞 | |
今村文彦教授、越村俊一教授、第14回日本水大賞国際貢献賞 受賞 |
石田壽一教授が「第5回ロッテルダム国際都市建築ビエンナーレ(コンペ部門)」で最優秀賞を受賞しました
石田壽一教授のプロジェクトデザイン学研究室が提案した「仙台スマートコミュニティ計画」の提案が、第5回ロッテルダム国際都市建築ビエンナーレ(コンペ部門)で最優秀賞を受賞しました。この提案は、都市環境の持続性を保つために仙台中心市街地に1000ヵ所のレインガーデンをつくり、雨水の回収と利用のインフラを整備しよう、というものです。
国際的なワークショップで学ぶこともできます
建築系の研究室では、他大学の建築系学科と連携し、フランス(モンペリエ高等建築大学)、オーストラリア(王立メルボルン工科大学)などの建築系大学と共同で取り組む設計スタジオを開設。定期的に、各国もちまわりでのワークショップ(World Architecture Workshop=WAW)を行っています。2012年には仙台を会場に「国際建築ワークショップin仙台2012」を開催。
また、中国の大学(清華大学)やトルコの大学(ウルダグ大学)と「中国スタジオ」を開くなど、国際的なワークショップによって、世界を舞台に活躍する道を広げています。
海外留学や語学研修を通じて、世界へと飛び出す力を身につけ、世界スタンダードの舞台での活躍を目指します
世界の研究者と交流し、世界を舞台に活躍する力を高めていく上で、語学力の向上や海外留学の経験は欠かせません。
工学部・工学研究科には「国際交流室」があり、英会話クラスやTOEFL受験対策クラス などの語学研修体制を整え、交換留学、サマープログラム、海外インターンシップなどの留学支援を行っています。
本邦発、革新的下水処理技術が世界の水問題解決に挑戦しています
原田秀樹教授が開発した低コスト・省エネルギー型の下水処理技術 (DHSテクノロジー) が、下水で汚れたインド共和国の河川を浄化すべく、科学技術振興機構 (JST) および国際協力機構 (JICA) が展開する地球規模課題対応国際科学技術協力プログラムに採択され、世界の至宝・タージマハル近くの下水処理場に設置されました。現在、実規模実証実験が行われています。また、文部科学省 先導的創造科学技術開発費により、DHSテクノロジーを核とした、アフリカ・中近東の乾燥地域の水問題を解決するための研究拠点をエジプト・アラブ共和国に形成すべく邁進しています。
南米アンデス高地で、温暖化による氷河減少に対する水資源管理、適応策を研究しています
水環境デザインコースの田中仁教授を筆頭に、南米ボリビアの水資源問題に取り組んでいます。ボリビアの首都圏で重要な水源となっている氷河が、温暖化の影響により溶け出し、将来的に水資源が枯渇してしまうことが懸念されています。このプロジェクトでは、ボリビアのサンアンドレス大学と東北大学に加え、福島大学、東京工業大学の共同研究として、ボリビアにおける水資源政策に関して、多面的な検討を進めています。
平成28年熊本地震関連「国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID)」 繰り返し大地震動を受けた建築物の崩壊メカニズムと残存性能に基づく次世代型被災度判定と耐震設計法の構築(2016年)代表者:前田匡樹(東北大学)、Kenneath Elwood(オークランド大学)
日本、ニュージーランド両チームの連携のもとに、被災地域の建築物(主としてRC造学校建築や公共建築)の被害状況および構造特性の現地詳細被害調査、構造詳細に基づく被災建物の耐震性能と損傷状況の分析、崩壊メカニズムの検討、残存耐震性能評価に基づく被災度判定法の適用性の検証、繰り返し地震動による性能劣化を考慮した次世代型耐震設計法の提案を行いました。 国際ワークショップや熊本地震、NZカイコウラ地震の被害調査を合同で行うなど、東北大学とオークランド大学を中心とする両国の研究者の交流が現在も続いています。 詳しくは:https://www.maedalab-tohoku-u.com/j-rapid
JICA/JST 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS) 都市の急激な高密度化に伴う災害脆弱性を克服する技術開発と都市政策への戦略的展開プロジェクト(2015年~2021年)
急速に開発が進む開発途上国であるバングラデシュを対象に、地震に対して脆弱な建物の耐震化を目指すプロジェクトです。JICAの支援のもと、バングラデシュの政府機関や大学と連携し共同研究を実施し、既存建築物の耐震性能を診断し向上させる技術を開発し、ダッカ市内の建物への展開しています。 留学生や技術者を東北大学に招いて、教育・研究そして、日本の耐震技術の現地への普及・展開を目指して活動しています。 共同研究機関(国内):東京大学(代表者)、東北大学、大阪大学、OYOインターナショナル、コンステック、堀江建築工学研究所 共同研究機関(海外):バングラデシュ・住宅建築研究所(HBRI)、公共事業国(PWD)、アジア太平洋大学(UAP)、バングラデシュ工科大学(BUET)、アサヌラ科学技術大学(AUST) 詳しくは:https://www.maedalab-tohoku-u.com/stareps