コース代表教員からのメッセージ
水環境デザインコース 風間聡教授(水環境システム学研究室)
(神奈川県立湘南高等学校卒業)
生命の源(「Water is Life!」)となる水環境を、どのように保全し、整備していくか。
河川や海岸の自然現象の解明、リモートセンシングや測器の観測技術の開発、土砂や栄養塩動態地図の作成、乱流や土砂移動の理論構築、微生物や植物を用いた水処理技術開発、津波や洪水のコンピューターシミュレーション、災害時の避難解析、干潟や湾、湖の水の流れと生物相の評価等が、水環境デザインコースの研究テーマとなっています。まさに、フィールドワークとミクロの分析によって深められる領域です。
地域へ飛び出し、世界へ飛び出し、あらゆる水環境の場所へと入り込み、五感をフルに活かしていくことが大好きな教員が、研究、教育に当たります。
研究室紹介
水環境システム学研究室 
風間聡教授、平賀優介助教、ホセ・アンジェロ・ホクソン特任助教、ジャクリーン・ボグワ・モドニ特任助教
本研究室は、気候・社会変動が水災害・水環境・水資源にどのような影響を与えているかを調べています。水循環における降水、地表水、地下水、蒸発など様々な要素に着目し、持続可能な未来のための適応策を水文学の立場から提案しています。対象地域は熱帯モンスーンや北米から東北地方まで多岐に亘ります。また、東南アジアを始めとする海外で頻繁に調査を行い、留学生や研修生を受け入れ、技術交流を行う国際性豊かな研究室です。
環境保全工学研究室 
李玉友教授、久保田健吾准教授、覃宇助教、陳玉潔助教
本分野では、下水道や廃棄物・バイオマス資源循環などの社会環境システムの計画・設計・運用管理・調査研究について、生物学的・化学的・システム学的観点を踏まえ、環境工学として総合的にアプローチしています。特に低炭素・循環型社会の実現を目指して、都市下水道システム、産業排水処理技術、バイオマス利活用システム、環境微生物、環境化学などの課題について幅広い研究を展開し、環境保全と再生エネルギーに取り組んでいます。
環境水質工学研究室 
佐野大輔教授、AMARASIRI MOHAN准教授、大石若菜助教、BANDARA SEWWANDI助教、AKEN PUTI WANGUYUN助教
国連持続可能な開発目標では、2030年までに飲料水とトイレを全世界の人々に行き渡らせることが目標の1つとして設定されています。そのために私達は一体何ができるでしょうか。また、この目標は主として開発途上国を念頭に置いていますが、日本を含む先進国にはもう問題は存在しないのでしょうか。環境水質工学研究室では、水中に含まれるノロウイルスなどの病原体や化学物質に健康を脅かされることのない、安全かつ持続可能な水利用システムを新しいアイデアで構築していくことを目指した研究を進めています。
環境生態工学研究室 
西村修教授、坂巻隆史准教授、野村宗弘助教
生態系を修復・保全・創出し、それらの生態系が有する様々な機能を強化して利用する技術はエコテクノロジー(生態工学)と呼ばれ、人間と自然の共生を可能にする技術として注目されています。湿地、湖沼、河川、沿岸にはそれぞれ独自の生態系が存在し、生物生産や水質浄化、気候や洪水の調節、親水空間の提供など様々な恩恵をもたらしています。当研究室では、生態系の修復、保全、創出技術の開発およびそれらが有する機能の機構解明とその応用に関する調査研究を行っています。
水環境情報学 
有働恵子教授、バムナワラ・ジャナカ助教
国内外の海岸・河川における水災害やこれに伴う土砂動態・地形変化に関する研究を、現地調査や数値解析を通して行っています。また、これに対する適応策などの対応について、防災だけでなく、環境や利用などの様々な情報を活用し、多様な視点で検討するための解析およびモデル開発を行っています。このためには、人々の価値観など社会科学的な知見を導入することが重要であり、学際的な研究をも推進しています。
津波工学研究室 
今村文彦教授、サッパシー・アナワット准教授、佐藤翔輔准教授
津波工学研究室では、災害対策・制御を目的として、国内外における津波被害の現地調査、高精度数値予測システムの開発、自然力(海岸林)を活かした津波減災技術の開発、防災教育、可視化技術の開発、古文書や堆積物記録を用いた古津波の研究など、学際的かつ国際的な研究を行っています。2011年の巨大津波災害を受け、さらに活動を強化し発展させる必要があります。この巨大津波災害の実態を明らかにし、我が国の津波総合防災対策を見直すことで、2度と同じ悲劇を繰り返さないための防災・減災システムを構築するという使命を持っています。
災害ジオインフォマティクス 
越村俊一教授、マス・エリック准教授、アドリアノ・ブルーノ准教授
災害による被害推計手法の高度化、発災直後の迅速な被害把握と災害救援活動への技術的貢献を目標として、リモートセンシング、数値シミュレーション、地理情報システム(GIS)を融合した新しいアプローチでの研究と技術開発に取り組んでいます。研究を通じて、地域の災害に対する脆弱性を評価し、その評価結果に基づく有効な減災策を社会に提案します。災害による被害を抑止するだけでなく、起こりうる被害を最小限にとどめ、しなやかに立ち直る、新しい減災社会の構築に向けた技術的な貢献を果たすことが本研究分野のミッションです。